先日からカナダをにぎわせているニュースといえばこれ。2005年にトロントで同性結婚(same-sex marriage)したレズビアン・カップル(どちらも非カナダ人、それぞれフロリダとイギリス在住)が、離婚しようと思ったら、カナダ政府から「もともとの結婚が合法ではないから離婚もできない」と言われたということで、当事者をはじめ、2004年以降、カナダで同性結婚した非カナダ人カップルのあいだに混乱を招いている。
2004年にカナダ政府が同性結婚を合法化して以降、世界各国から同性結婚を望むカップルがカナダで(とりわけトロントで)結婚式を挙げるケースは少なくない。事実上、カナダで成立した15000件の同性結婚のうちの5000件は非カナダ人によるものであるという統計もある。
カナダ連邦政府法務省の言い分は、カップルがどちらもカナダ在住のカナダ人ではないのだから、彼らの国(あるいは州)が同性結婚を合法化していない限り、結婚は合法的とはいえない、よって離婚も成立しえない、というもの。カナダで合法的に離婚するには、カナダに最低1年は居住する必要がある。また、結婚した当事者の居住地で合法とされている限り、カナダで成立した結婚は合法とされる、という立場を取っている。
カナダで結婚式をあげた非カナダ人の同性カップルにしてみれば、突然、自分たちの結婚の合法性が覆されたのだから、意表をつかれた、というか仰天したことだろうと思う。しかし、同性結婚合法化から7年経った今になるまで、居住地、さらには結婚成立地の結婚に関する法律の違いによる問題は浮上していなかったのかというと、今年になって今回で2件しか浮上していないとのこと(これも驚きだわ!)。報道によれば、法律専門家や法務省は、居住地と自国の法律の間に生まれた、この奇妙なギャップに必死に取り組んでいるようである。
カナダの同性結婚は、自由党(Liberal Party)によって導入されたが、現在、政権を握っている保守党(Conservative Party)は従来、同性結婚に反対の立場であることから、ハーパー政府がこれを機に同性結婚の合法化を覆そうと試みるのではないか、との懸念も出ている。しかし、ハーパー首相は直ちにこれを否定し、現政府がこの問題を蒸し返す意図のないことを強調した。
参考)グローブ紙の記事はこちら:
http://www.theglobeandmail.com/news/politics/justice-minister-vows-to-clarify-laws-on-same-sex-marriages/article2300179/
アップデート:
政府発表「カナダで成立した同性結婚は海外でも有効」
カナダ政府は先日、「カナダで成立した同性結婚(Same-sex marriage)は同性結婚を認めていない国の住民のものでも有効」という発表を出した。
多くの人がこれで胸をなでおろしたことだろう。
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