カナダでは若者の死亡原因は、自動車事故に続き、自殺となっている。
最新の2007年データによれば、10から19歳人口では218人 が自殺しており、最大の原因としていじめが挙げられている。また、2009年の調査では、オンタリオ州の7年-12年の生徒のうち、3人に1人がいじめにあっているという報告もある。
とりわけ、新学期の始まる9月は自殺が増えるといわれ、今年はその頃にもトロント郊外のミシサガで16歳の少年が友人(女性)を殺害した後に飛び込み自殺をし、大きな波紋を呼んだ。
友人などの話によれば、この少年はFacebookで自殺を仄めかすメッセージを載せており、また、以前からディプレッションにより自殺願望を口にしていたという。
自殺した若者のうち、なんと91パーセントが何らかの精神疾患を患っているという。
カナダ史に照らして「自殺」を見ると、1800年代後半には自殺をする人は、結婚前に妊娠した女性が大半であったという。1930年代になると、新しいチャンスを求めて新大陸にやってきたものの、富を得ることができなかった男性、とりわけ既婚の若い男性が多かったという。その傾向はいまや大きく変化し、若者と自殺の関連性、さらにはディプレッション、エンザエティの関連性がメディアでも取り沙汰されている。
大学やカレッジでも自殺の問題は今や深刻に取られている。大学やカレッジでは、とりわけ、ヘリコプター・ペアレントに育てられ、参加者すべてがそれだけで賞賛される教育環境で育ってきた学生が、はじめて失敗を経験する場になることが多いことから、失敗に対する大きな不安が影響していると指摘されている。
世界的にみると、若者の自殺は経済的にに豊かな先進国で社会問題化している。一方、第三世界では若者による自殺以上に、病気疾患や事故による死亡率が高い。
北米では、若者の自殺率の増加は、比較的新しい問題である。男女別に見ると、圧倒的に男子に多く、その率は2倍という。しかし、自殺未遂でみると女子の方が多く、男子に多いのは体力的に自殺を実行する力があることが一因であると言われる。
専門家や心理学者は若者の自殺率が増加している理由として、単独の理由に絞り込むことを否定し、ティーン独特の文化、将来に対する不安、精神的な孤独や孤立、いじめ、離婚率の増加、宗教的意味の低下など、さまざまな要因を複合的に見る必要性を指摘している。
また、自殺の兆候として、孤立、突然の学力低下、ディプレッションやエンザエティーといった精神的障害、またアルコールやドラッグへの依存などが挙げられる。一般的に親は「何の兆候もなかった」ということが多いが、よくよく聞いてみると、友人には自殺願望をほのめかしていることが多く、大人には言わない傾向があることも指摘されている。
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