最近、トロントではToronto Star紙の「北米の大学に東アジア系学生が増えている」記事に対する論議が続いているが、Globe紙のMargaret WenteがWhere cherished values collideというタイトルでコラムを寄せた(Nov. 23,2010)。いつもはWenteのコラムに反論を覚える私だけれど、今回のコラムに賛同している自分にいささか驚いている。
http://www.theglobeandmail.com/news/opinions/opinion/where-cherished-values-collide/article1809338/
彼女のコラムの要旨を概観すると、今回議論になっているのは東アジア系学生だけれど、40年ほど前まではユダヤ系学生が同じように議論の対象になっていた(ユダヤ系学生がIvy leagueを圧巻している!とか)、当時はこの議論に対してquotaを設定しようという意見もあったが、今回は”Nobody is talking about quotas”. なので、これを人種差別だとする意見には賛成できない。結局のところ、アジア系は”the new Jew”なのであって、どちらの両親も”Pussy”なことで知られている。” 「アジア系学生が大学に増えているというのはよいことである。メリトクラシーが機能しているということであるから。このことをもとに、重要な社会的議論がはじまる可能性がある。そうした社会的議論ができる可能性をふさぐべきではない」。
おおむね賛成。
どこで読んだのか忘れたが、カナダではポルトガル系、ギリシア系の家庭で大学進学率が非常に低いという論文があった。ポルトガル系の文化では学歴あるいは教育機関で学ぶことに対する価値が他文化に比べて低いことが原因と書かれていた。特定の現象(東アジア系学生が増えている)を考察するとなると、文化的な背景を分析しなくてはならない。しかし、こういった特定の文化に根ざした価値の問題は、”Too Asian”記事にはほとんど触れられておらず、単にこの現象に対して白人学生がどう感じているか、といった内容に終始していた。それこそが、あのオリジナル記事の大きな問題だと思う。
最後に、このコラムには興味深い統計が載っているので転載しておこう。
· カナダで最もアジア系学生が多いのはUBC(University of British Columbiaバンクーバー)で、バンクーバーの東アジア系市民の割合は21.5%にもかかわらず、UBC東アジア系学生は43%。
· アメリカではUniversity of California at Barkley。カリフォルニア州のアジア系アメリカ人人口の割合は12%、Berkleyの1年目は42%がアジア系。
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