Monday, August 23, 2010

子どもを思う親

先日、アメリカで発表された2件の研究結果に「同じ学年でも、年の後半に生まれた子どもはADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder 多動性障害)と診断される可能性が高い」というのがあった。北米では同じ年に生まれた1月から12月生まれが同じ学年に同籍することになるので、「年の後半」というのは9月から12月生まれ、ということで、1月生まれに比べると8~11ヶ月幼いわけで、この幼さが幼児教育関係者や医師などから行動面においてADHDと間違って指摘されるケースが多い、というわけらしい。「5歳の子にとっては1年というスパンは人生の20%と大きいわけだから、1年という切り替えは不自然に違いない」と専門家。

今日のGlobeの記事には、それゆえに1年遅れでKindergarten(幼稚園)や小学校に入れたがる親が増えているとあった。どうしてもはさみの使い方や絵の描き方に稚拙さが現れ、それを他の子どもたちと比べると、子どもが自信喪失するんじゃないか、と心配する親がいるらしい。1年遅れで学校に入れることで「自意識を育ててあげられる」とか・・・。

日本では「早生まれ」(1月1日から4月1日生まれ)と呼ばれ、私も確かに早生まれなので学齢が低いときは「背が低い」とか「走るのが遅い」とかとりわけ身体的にハンディがあったような気がするけれど、だからといって「不公平だ」とか言って文句を言う親はいなかったし、私も気にしなかった。学齢があがるにしたがって、その差もほとんど見えなくなったように思う(ただし、背の順ではいつも前の方だった)。

この記事を読んで思うに、最近の北米の親は(これってミドルクラスで教育熱心な親なんだと思うけど)以前にまして子どもの人生に積極的にかかわっているようだ。

話はちょっと変わるけれど、おとといのGlobeには「子どものBack to school(新学期)のためにFashion advisorやFashion consultantを雇う親もちらほら出ている」と読んだ。何かにつけて北米ではアウトソーシング。子どもを産んだあとは、ナニー(子育て専門に雇われる人。カナダではフィリピンからの人たち、住み込みで働く人が多い)に預け、各種さまざまなレッスンに送り、ファッション・コンサルタントを雇う。

同じ日の新聞にはパキスタンの洪水被害が写真入りで報じられ、その写真にはまだ数ヶ月という子どもを肩に抱いて腰までつかる水のなかを歩いている親の姿があった。何という差だろう、と実に愕然としてしまった。

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