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Friday, February 8, 2013

児童公園で煙草を吸うなんて・・・


トロントに比べると、京都市内は遊戯具が備わっている公園(児童公園)の数がずいぶんと少ない(田舎に行けば行くほどもっと少なくなる)。 ブランコがひとつ、鉄棒がひとつ、子どもが走り回るスペースもない、というような小さな公園を含めても少ないと思う。



子どもたちは、そんな小さなスペースでも元気よく伸び伸びと遊んでいるのだが、私にはずっと気になっていることがある。それは、そうした公園に置かれているベンチで普通は誰かが煙草やパイプを吸っていること。



私が子どもとよく行くのは、京都府立図書館の前の岡崎公園なのだけれど、そこは(たぶん)図書館前とあって煙草を吸っている人が多い。喫煙のできる場所が限られている喫煙者にとっては、公園というスペースは煙草を吸うための場所なのかもしれないが、子どもを遊ばせている親にとっては迷惑はなはだしい。子どもは遊びに熱中しているので文句を言うようなことはないが、受動喫煙second hand smokeの害をカナダであれほど聞いてきた私としては気になって仕方ない。



以前に比べて禁煙スペースが増えてきたのは喜ばしいことだが、喫茶店やレストランなどは分煙していても、結局のところ煙が流れてくることもしょっちゅうある。先日、イノダで数時間いたら、禁煙席に座っていたにもかかわらず、最後には頭がクラクラしてきたし、コートにもしっかり煙草臭が染み付いてしまっていた。



ついでに言うと、電車で隣に座った人のプンプンするヤニ臭によって気分が悪くなることもある。煙草の匂いで気分が悪くなるのは、なにも私だけではない。私も実際、近くにそういう煙草アレルギーを持った人が何人もいる。煙草を吸っている人に対してまったく敵意はないが、煙草に対するアレルギーを持ち、子どもを持つ身としては煙草の煙ほどうっとうしいものはない。

Friday, January 27, 2012

放射能から身を守る方法

恐らく日本に住んでいるとピンとこないかもしれないが、海外で放射能被害を研究している専門家の一部では、「日本では放射能被害が広がっている」という事実はもう常識。この常識を前提として「では、どうすれば放射能被害を最小限に抑えられるのか」という議論がなされている。


以前、このブログでもご紹介した放射能専門家のクリストファー・バルビー博士は、放射能を取り込まないための方策としてカルシウムとマグネシウムのサプリメントを摂取することを推奨していた。同じように、Mark Sircusという医師は「放射能被害からDNAを守るマグネシウムとカルシウム」というタイトルのブログを載せ、バルビー博士の主張をサポートしている。このサイトには先述したマグネシウムとカルシウム摂取を勧めるバルビー博士のYou Tubeビデオも転載されている。
http://blog.imva.info/medicine/magnesium-calcium-protect-dna-radiation


また、アメリカのドクターであるキャロリン・ディーンのインタビューでは栄養素による放射能に対する処方が紹介されている。彼女の肩書きにはNutritional Magnesium Associationのディレクターとあるので、マグネシウム効能のプロパガンダと見えるかもしれないが、こうしたオルタナティブ療法も一応頭に入れておく必要があると思われる。
http://www.nutritionalmagnesium.org/articles/nutrition/304-magnesium-supplements-a-radiation-remedies.html


以下はCarolyn Dean(Medical Director,Nutritional Magnesium Association)のインタビューの抜粋。
ただちに現れる放射能被害の症状とは?


「放射能は免疫機能に大きな弊害をもたらし、体内の多くの栄養素を破壊します。甲状腺は放射能被害を受けやすい。甲状腺はホルモンを体内に送り、多くの体機能を司る一助となりますが、もしその機能がうまく働かなかったり疲弊していれば、エネルギーの低下、体重が徐々に減ったり、メタボリズムや排泄機能および思考過程の遅れ、さらには体温の低下や不妊といった症状として現れます」




放射能にさらされると、長期的にはどんな健康被害が見られますか?


「がんや遺伝子の突然変異が見られます。これらは、頭および脳の大きさが通常より小さかったり、目が完全に発達しない、成長がいちじるしく遅い、あるいは精神遅滞、知的障害として現れます」




放射能被害を最小限に抑えるにはどんな方法がありますか。


「1日に1回、150ミクログラムのイオダイン(ヨウ素)127を取ること。そのためには、1日に5~10グラムの海草をとることが有効です。日本語では「昆布」として知られている海草が最もヨウ素を多く含んでいます」




「また、ポタシウム・イオダイン(ヨウ素カリウム)の摂取も有効です。しかし、ポタシウム・イオダインは大量に摂取すると副作用が懸念されるため、核炉心メルトダウンが起きた15マイル以内の範囲にいる方々に対して緊急用として与えられます。ですから、医師や保健機関など専門家によって放射能が居住地域に到達したという明確な通知がない限り摂取すべきではありません。FDA(アメリカ政府食品管理局)は以下のポタシウム・イオダイン摂取量を安全と承認しています。1ヶ月以内の乳児:16mg、1ヶ月から3歳:32mg、3歳から18歳:65mg、成人:130mg」




「放射能を体外に排出する他の方法としては、ハーブの一種、タイムのお茶を摂取することです。1テーブルスプーンのタイムを沸騰したお湯に入れ、20分間蒸らします。これを冷まし、タイムを取り除いて1日2杯飲みます。このお茶は、クレンジングや血液のリンパ管、さらには甲状腺や胸腺にも有効です。昆布などの海草、味噌汁も放射能の害を減少させる役に立ちます」


うーん、味噌汁に海草、昆布。海草が汚染されていなければ、の話だろうけれど。対放射能療法のマグネシウム+カルシウムのサプリメントについてはこれからもちょっと勉強して、またアップします。

Monday, January 16, 2012

失敗建築物としてのROM(オンタリオ王立博物館)、そしてカナダ的で美しいAGO(オンタリオ美術館)

AGO: Frank Gehryによるリノベーション
私はROM(Royal Ontario Museum)から遠くないところに住んでいるのだが、ROMに行く度に、この前を通る度に、この建築物の醜悪さと使い勝手の悪さには呆れてしまう。


世界的に著名な建築家ダニエル・リベスキント/Daniel Libeskindによる、世界一級品の建築とされているこの「クリスタル」だが、私には著名建築家のエゴの「結晶」、というか建築物としては大失敗作品としか思われない。


歴史や思想によって細部がほどこされたベルリンのユダヤ博物館を作った建築家の作品とは思えないほど低俗、だと思う。思想性もまったくなし。もともとあった石造りの建築物の北側ファサードに取ってつけただけ、の風貌。それもオリジナルの建築物の方との適合性もゼロ。形が形だけに展示スペースもへんてこりん・・・。こんなんでリべスキントと呼べるの?? 前の古い石造りの方がずっと品格があって好きだわ・・・。


27million(2700万ドル)かかったリノベーションの結果を、実際にお金を出したマイケル・リー・チン氏はどう思っているのだろうか。


それに引き換え、トロント出身のフランク・ゲーリー/Frank Gehryが手がけたAGO(Art Gallery of Ontario)のリノベーションの美しさといったら! 私はフランク・ゲーリーの代表的作品、ビルバオのグッゲンハイム・ミュージアムに対して相反する感想を持っている。一方では、あの無機的な色やファサードには違和感を覚えるが、彼独特の流れるような曲線の使い方には心ひかれてやまない。なので、もちろん彼のAGOリノベーション後に、あの曲線を実際に見たときにはハッと胸をつかれた。


私は建築物のうちでこれほどまでに完璧にオンタリオ州を象徴している作品を知らない。

広大な自然とその自然の静謐さ、美しい水と水脈、ネイティブの持つ自然と人間に関する深い思想、秋のメープルの色、そして土の匂い、水上を静かに漂うカヌーと遠く聞こえるルーンの声。ゲーリーのリノベーションには、確かにこうしたオンタリオ州のエッセンスが感じられる。


AGOがアルゴンキン国立公園や手付かずのネイティブ・ランドに行ってはスケッチをし、トロントのスタジオで作品を完成させたトム・トムソンとグループ・オブ・セブンの作品を多数収蔵していることを考えれば、これほどまでに完璧な建築物はないといえよう。


先日、久しぶりに行ったAGOでGroup of Sevenの画家によるカナディアン・ギャラリーを見たが、やっぱり彼らの絵は素晴らしい(ギャラリーの展示の仕方もすばらしい!)。彼らの絵には、商業デザイン、印象派、日本の浮世絵などいろんな要素が感じられる。アルゴンキンに行くと、まさにGof7の絵の中を歩いているように感じたものだ。
The Group of Seven and Tom Thomson by David P. Silcox


A.Y. Jackson: The Red Maple


Edwin Holgate (The Group of Seven)

Lawren Harris (The Group of Seven)



彼らの絵は絶対に日本人好みだと思うんだけれど、どうして日本ではまったく紹介されていないんだろう。とっても不思議。

Thursday, January 5, 2012

3・11地震・津波による瓦礫の一部がバンクーバーに漂着し始めている?

昨年3月の地震・津波によって運ばれた2500万トンの瓦礫が、この冬にはハワイ沿岸部に、2013年までには北米西海岸に漂流するとみられる。US National Oceanic and Atmospheric Administrationは太平洋上を漂流している巨大な瓦礫の動きを常にトラッキングしている。専門家のなかには、この巨大瓦礫はカリフォルニア州ほどの大きさであると見る人もおり、通常は漂着物は漂着した地域を管轄する自治体の責任で片付けられるが、この瓦礫の大きさに日本政府による財政援助を期待する声も出ている。


同じニュースは12月中旬、カナダのCBCニュース番組で私も見た。ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーアイランドのトフィーノの住民のなかには、日本からやってきた瓦礫の一部がすでに沿岸に漂着している、と信じている人もいる(そうした瓦礫・漂着物の一部として「日本製のペットボトル」が映像で写されていたが、明らかにラベルには中国語の表記が見られたので、私は懐疑的・・・)。

一方では、こうした漂着物は、何の変哲もない、大洋を漂う「通常のゴミ」であると見る人たちもいる。


瓦礫は放射能に汚染されているのではないかとか、死体やその一部が漂着したらどうすればいいのか、と心配する声も聞かれている。

CBCのビデオはこちらから。
http://www.cbc.ca/news/world/story/2011/12/15/bc-video-tofino-tsunami-debris.html

Tuesday, January 3, 2012

グローバル食糧危機と昆虫食

アメリカの元大統領ビル・クリントンがヴェーガンになったというニュース・アイテムを読んで、確かに近年クリントンはグローバル政治で倫理面に関する取り組みに積極的に係わってきたことを思うと、まあ、ヴェーガンも納得できるわね、と思っていた(議会で嘘ついたのは彼だったけどね)。しかし、もっと先進的で倫理的なダイエットといえば、それは昆虫食に違いない。


先日、CBCラジオ番組Qで昆虫食(entomophagy)について話していたのだが、それにしても、昆虫食を勧めるダニエラ・マーティン(Daniella Martin)のなんと情熱的だったこと!


昆虫食。ここ最近、この言葉をときどき聞くようになった。トロントでも昆虫を出すレストランがあるとか、一流シェフが昆虫を料理しているとか、グルメの延長としての昆虫食に関心が集まっている。一方では、将来、グローバル規模で食糧難の時代がやってくるという危機感から、たんぱく質やビタミン豊富な栄養食である昆虫食が脚光を浴びている。


ダニエラ・マーティンによれば、古代マヤ文明やアステカ文明では昆虫が食べられていたそうで、昆虫食に対して嫌悪感を示すのは文化的なものだという。「北米では20年ほど前には刺身や貝類を食べることはタブーとされていたが、今ではスシはポピュラーで、貝類をはじめとする魚介類は最も高価な食材のひとつとなっているではないか。昆虫が気持ち悪いというのは慣れていないだけ」。


そして、彼女が言うにはその固定概念に支配されているだけで、「みんな気付かないけれど、毎日、昆虫や虫を食べている」らしい。「マッシュルームには小さな虫がついているし、穀類や豆類にも目に見えない虫がついている」。(聞いてた私は飛び上がりそうになったわよ・・・)

ベジタリアンに対しては、「パンに豆腐バーガーをはさんで食べているあなただって、パンの原料である小麦粉を作るためにはたくさんの虫が殺されている」と応酬する。また、「都会の虫はお勧めできない」とも。いろんな菌がついている可能性もあるし、衛生上の問題がある。なので、「ファームで育てられた飼育昆虫がお勧め」らしい。


このインタビュー、かなり興味深かったのだが、聞いたあとは何だか気持ち悪くなっていた。もちろん、環境にもやさしいし、グローバル食糧難に抗する有効な手段であることも納得しているのだが、どうもやっぱり私には食べられそうにない・・・。食糧難になったらそのときに考えたい(ごめんね、ダニエラ・・・)。


そういえば、ふと思い出したが、1年ほど前、母が日本から送ってきてくれた「イカナゴのくぎ煮」を見て、「キャー!」と思ったことがある。同時に小さなエビの佃煮もちょっと気持ち悪く感じた。その反応に自分でも驚いた。日本にいるときはまったく違和感を感じなかったのだから、恐らく北米でこうしたものを食べないで12年間暮らした結果なのだろう。文化というのは私たちの身体や感覚に深く染み付いていて、私には犬を食べたり、ウサギを食べたりすることに対する嫌悪はあるが、ユダヤ系の友人が嫌悪するタコやイカ、甘エビなどは大丈夫というのだから、「何を食べて是とするか」に関しては線引きが曖昧な判断なのである。


ダニエラ・マーティンは小さいとき東京で育ったと言っていた。その経験が、「自分の文化や特定の文化が絶対ではない」ことを教えてくれたという。たしかに、自分の文化がチャレンジされるような、そうした経験こそグローバライズ世代の子どもたちにぜひさせておかなくてはならないものだと思う。

Sunday, December 4, 2011

2011年のマーサー調査:世界で最も生活環境のクオリティが高い都市はウィーン

2011年のMercer survey(マーサー調査)による「クオリティ・オブ・リビング」(生活環境のクオリティ)調査の結果が発表された。上位10都市は以下の通り。

1位 ウィーン(オーストリア)

2位 チューリッヒ(スイス)

3位 オークランド(ニュージーランド)

4位 ミュンヘン(ドイツ)

5位 デュッセルドルフ(ドイツ)およびバンクーバー(カナダ)

7位 フランクフルト(ドイツ)

8位 ジュネーブ(スイス)

9位 ベルン (スイス)、コペンハーゲン(デンマーク)


カナダでは、バンクーバー(5位)、オタワ(14位)、トロント(15位)が上位ランキングされた。

日本では東京が46位と最も高い(ほんと?)。


国際人事コンサルタント会社マーサーのよる調査は、政府や多国籍企業が駐在員を派遣する際に公正な金銭的補償をするためのツールとして用いられ、毎年、世界221都市を調査し、ランク付けをしている。


調査の基準は、政治的・社会的環境(政治的安定性、犯罪率)、経済的環境、社会・文化的環境、健康・衛生環境、学校・教育、交通・公共サービス、自然環境など10項目。


結果を見ると、ヨーロッパの都市がトップ25都市の半数を占めているという偏り方。


同時に発表されたパーソナル・セーフティー・ランキングの上位結果も見てみると・・・。

1位 ルクセンブルク(ルクセンブルク)

2位 ベルン (スイス)、ヘルシンキ(フィンランド)、チューリッヒ(スイス)


カナダの都市、モントリオール、カルガリー、トロント、オタワ、バンクーバーはいずれも17位。
また、大半の日本の都市(神戸、名古屋、東京、大阪、横浜)は31位。


ちなみに、世界で最も危険な都市は…

バグダッド、ということである。

Tuesday, November 1, 2011

フカヒレ禁止は中国文化に対する差別的待遇か、という問い

10月下旬、トロント市議会はシャークフィン(フカヒレ)の販売、所有を禁止する法を可決し、来年の9月1日には法施行することが決められた。このブログでも数回にわたってトロント市の動きをアップデートしてきたが、今日はこのフカヒレ禁止が中国文化に対する差別かどうか、に焦点を絞って書いてみたい。


もちろん、差別に違いない、という声は中国系コミュニティを中心に出ている。市議会での決議がなされる当日、中国系の商工会は地方紙に全面広告を掲載した。その広告は「シャーク・ステーキを料理して出すことに問題はなくて、フカヒレのスープを出せば多額の罰金が課される」ことに対する矛盾をついていた。私も部分的にそう思っていた。


そもそも、フカヒレに反対する勢力は、フカヒレ漁の仕方が残酷であるといってフカヒレ消費を反対している。フカヒレ漁とは、ヒレだけ切り取って残りを海に戻すやり方だが、サメはそのうち大量の出血が原因で死んでしまう。


一方、世界中でシャーク(サメ)が消費されているのは事実であり、トロントでもスーパーにいけば「シャーク・ステーキ」の切り身は簡単に見つかる。ということならば、フカヒレを禁止するよりも、フカヒレ漁のやり方を変えればいいんじゃないか、と私は思うのだけれど、どうなのだろう。だいたい、サンフランシスコやトロントでフカヒレをメニューに出すこと、フカヒレを売ることを禁止するというのでは、フカヒレ反対勢力が否定しているフカヒレ漁のやりかたを抜本的に変え、苦しみのなかで死ぬシャークを劇的に助けることにはならない。


グローバライゼーション。食品の出所は海外であるという事実。この事実もあわせて考える必要がある。北米で消費されるシャークはアジアで捕獲されたものが大半で、トロント市としては海外の漁業の仕方を変える力はない。せいぜい、私が食肉産業に対してやっているのと同じような、消費者によるボイコットくらいしかできないのだ。


そう考えると、恐らく、フカヒレ禁止の動きは動物愛護の動きに対する、「トロント」のイメージを上げるためのトークニズムではないか、と思えてくる。


ついでに言うと、特別な日のアイテムとして珍重されているフカヒレ・スープが中国文化の象徴であることを考え合わせると、フカヒレだけをターゲットにするのなら、中国文化に対する差別的待遇ではないか、と問いただしたくなる気持ちもうなづける。


フォアグラはどうなのか。エスカルゴはどうなのか。馬の肉はどうなのか。くじらはどうなのか。


同時に、北米のスローターハウスで日々残酷なやり方で殺されている牛や、卵を産まされ続けている鶏などの扱いも、フカヒレ漁に比べると「人間的」と言えるのか。


文化という壁を突き抜けて見るとき、さまざまな食べものを食べる「正当性」の基準が揺らいでくる。何を食べて是とするか、は、文化によって、あるいは時代によっても異なる。つまり、食べ物の正当性の基準は絶対ではない。だからこそ、食べ物そのもの、ではなくて、「狩猟の仕方」や「屠殺の仕方」あるいは「飼育の仕方」に焦点を絞ることの方がずっと的を得ているという気がする。トロントで「フカヒレ」は禁止されたけれど、同じような議論が他の食べ物に対して出てくるのは時間の問題だと思われる。

Saturday, October 15, 2011

広がるフカヒレ禁止の動き

北米で最大のフカヒレ消費州のカリフォルニアでは、すでに法的に禁止されたフカヒレだが、カナダでも各都市でフカヒレ禁止の動きが加速している。

オンタリオ州では、今までにブラントフォード、オークビルでは7月に、ミシサガでも市議会での決議を経てフカヒレの販売が禁止され、昨日(10月13日)はトロント市議会のコミッティで投票があり、結果的に満場一致でフカヒレ禁止が採択されたことから、今後、市議会での議論を経て、市の条例としてフカヒレ禁止へと動いていく模様。

問題点のひとつは、こうして各都市での禁止が継ぎ接ぎ的(パッチワーク的?)措置になり、たとえば、トロントで禁止されているが、隣のマーカム市へ行けばフカヒレが売られているという状況になっている点。そのため、食品販売会社やレストランにとっては、非常に不利であるとされ、国単位でのフカヒレ禁止を求める声も一部にある。

Wednesday, August 17, 2011

有毒リップスティック

1日の終わりに鏡をみると、口紅の色がほとんど残っていない。「朝つけたリップスティックのほとんどが体のなかに入ってしまったんだろうね」と思いつつ、微量ならたいした問題はないと、半ばこの問題から無理矢理に目をそらしてきた私…。

しかし、先週末のGlobe紙によれば、政府の食品安全委員会は許可しているものの、厳密に調べてみると、大半のリップスティックから、カドミウム、砒素、鉛が検出されるという。「微量ならたいした問題ではない」と思われるかもしれないが、女性が一生のうち体内に取り込むリップスティックの平均的量は4~7パウンド(1パウンドは453.6g)と半端ではない。40を過ぎて、この問題性にやっと目覚めた次第である。
専門家は、原料ラベルを確認し、なるべく少量の原料が使われている商品を選ぶことを推奨している。
何よりおすすめなのは、Skin Deepというデータベース。ここには、6万8000品もの化粧品のプロファイルが見られ、各商品の有害性が確認できる。これまで、子ども用のシャンプーやサンスクリーンなどを買うときにこのサイトを利用してきたが、まさか自分のリップスティックの安全性にまで目を向けてこなかった。今日はこれから安全なリップスティックを買いに行こうっと。

EWG’s Skin Deep Cosmetics Database(化粧品のデータベース)
http://www.ewg.org/skindeep/

Thursday, March 31, 2011

放射能汚染された食品の長期摂取について

3月28日付けGlobe紙の “Radioactive food is a slow-release health threat” (Dr. Shafia Qaadri)は、今後、日本の食品の安全性、それを消費した日本人口への長期的な健康への悪影響について警鐘を鳴らしている。

現在、原乳、ほうれん草などの野菜、花、飲料水、海水中への放射能物質混入が報告されているが、中国やアメリカ、カナダなどの各国は日本から入ってくる食料の放射能汚染を厳しく検査している。

Dr. Qaadriによれば、日本の放射能被害はまだまだ始まったばかり。とりわけ健康への被害が懸念されるのは、妊娠中の女性とその胎児(妊娠初期に最も被害があらわれる)、子ども、家系に遺伝系の病歴のある人。
医師としての自らの経験として、1986年にチェルノブイリ原子力発電所のあったプリピャチで双子を妊娠中の女性が、カナダに移住してきて子どもたちが5歳になったときに血液ガンの宣告をしなくてはならなかったと書いている。

もちろん、今回のフクシマ(今後、こういう表記になるだろう)は、今のところ、放射汚染に関しては低濃度ではあるが、放射性物質は年単位から1000年単位にわたって土壌や水といった環境に残留する。たとえば、放射性ヨウ素131は8日、セシウム137は30年、モリブデン99は20万年以上にわたり残留する。

こうした放射性物質に汚染された食品を体内に取り込むと、発ガン率の上昇へとつながる。よく聞かれた「直ちに健康に害を及ぼす値ではない」という言葉は、実のところ、長期的にじわじわと健康へ害を及ぼしている、ということだろう。WHOの報道官Gregory Hartlは、大気中の放射能にさらされるのと違い、放射能汚染された食品を繰り返し消費することの危険度ははるかに高いと指摘している。

Japan urges calm over food worries (Reuters)

ロイターズによれば、福島第一原発付近の海水の放射能レベルは上昇しており、原発から330メートル南では法的基準の4385倍もの放射性ヨウ素131が検出され、原発の土壌では猛毒のプルトニウムが検出されたという。

現在、日本政府は原発の周囲20キロを避難指示区域としているが、IAEA(国際原子力安全委員会)の避難区域を40キロへ拡大するべきだとしている。日本政府は現在その件を慎重に検討している。

また、ロイターズの調査によれば、日本政府およびTEPCO(東電)は、過去に原発の危険性を繰り返し軽視し、安全性に対する専門家の警告を意図的に無視してきたという。TEPCOは6基のうち4基は廃炉とすることを発表したが、破損した原子炉の廃炉は何十年にもわたる危険な作業となる。(抜粋して翻訳)