現在では、妊娠7週目の血液検査で胎児の性別が95%の確率で分かるらしい。また、精子・卵子バンクでは、望めば知的能力、運動能力、髪や目の色、人種や民族、まつげの長さまでお好みで選べる。テクノロジーの発展により、ダウン症から他の障害まで胎児の段階でスクリーニングできる社会が到来しつつある。デンマークの新聞によれば、2030年までにはダウン症は社会から抹消されるということである。つまり、これから母親、父親になる人は、障害児の生に関して「選択の権利」があるということになる。
24日付けのIan BrownのエッセーI'm glad I never had to decide whether my strange lonely boy ought to exist(奇妙で孤独な私の息子が存在すべきかを決めなくてよかったことが私には嬉しい)は、生々しく、秀逸である。イアン・ブラウンの妻が言うように、障害者がいなくなった社会とは、寛容さに欠ける社会に違いない。
人間の完璧性とは何か。障害者(あるいは弱者)が私たちの社会に教えてくれていることは何か。人間性とは何か。テクノロジーの発展と倫理はどういう関係になくてはならないのか。さまざまな問いを考えさせてくれる、美しくも悲しいエッセーをぜひご一読いただきたい。
http://www.theglobeandmail.com/news/opinions/ian-brown/im-glad-i-never-had-to-decide-whether-my-strange-lonely-boy-ought-to-exist/article2144132/
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