Wednesday, February 15, 2012

ヘボン式って何だ?

二重国籍者の子どものパスポート申請が何とも大変だった。

まず、旅行代理店で航空券を買うのに、航空券の名前はパスポートの名前と同じでなくてはならないと言われる。ま、至って当然のことなのだが、そのとき、エリックはカナダのパスポートしか持っておらず、これから日本のパスポートを申請する、ということになっていた。


さて、エリックの名前の表記に関しては母親の私もちょっぴり不安がある。日本の戸籍では、「篠原エリック空」となっている。カナダでは、「エリック・スクリバニック」で通っている(ミドルネームのソラは通常は書かない)。「それって、別人じゃーん!」と知人からも言われる。さて、航空券は、日本のパスポートと同じなのだから、篠原エリック空ということにすればいい。しかし、今度は今まで使っていたマイレージ・プログラムが使えないことが判明(今まではカナダのパスポートで旅行していたから)。残念だが、これはあきらめるとする。


次なる難関はパスポート申請用紙の「ヘボン式」。パスポート申請書類には、ヘボン式でエリックの名前を記載しなくてはならない。ヘボン式というのは、日本の「仮名にローマ字を一対一で対応させたもの」(ウィキより)で、日本人の名前には難なく対応させられるが、エリックはERIKKUとなる。

領事館に行く前には、夫の姓「スクリバニック」などをヘボン式で書かされたらどうしよう、と心配してしまった。「バ」か「ヴァ」も議論の残るところで、それも大切なパスポートなのだから失敗してはいけないだろうとの懸念から、私も深夜、突然起きて考えていたら眠れなくなってしまった(心配性・・・)。結局、その必要はなくてホッとしたのだけれど・・・。


それで思ったのだが、こういう経験っていうのはエリックのような二重国籍者にとって典型的なんじゃないか。ふたつの国の基準は違っている。その関係性がうまくいかずチグハグなこともある。その狭間にあって、二重国籍者は1つの国籍しか持たない人に比べると、思わぬような問題に遭遇する可能性も高いんじゃないだろうか。日本という国は、「規格外」の人にとっては非常に住みにくい国なんじゃないか。そんな予感を覚えた。

それにしても、私には意味のわからない、このヘボン式、そもそも何のためのものなのだろうか・・・。必要あるんだろうか・・・。