北米では9月といえば新学期。それにあわせて、Globe紙はLife sectionで「子どものランチ」の記事を載せた。この記事、いくつかのLunchの写真を掲載し、健康的で環境に配慮したランチの例をあげていた。北米のスクール・キッズのランチといえばBrown bag(紙袋ランチ)が定番で、典型的な北米人の夫などは「毎日、ベーグルにクリームチーズやいちごジャムをぬったサンド、あ、たまにピーナッツバターもあったね」を持っていっていたという(ちなみに、現在では学校はアレルギーの生徒のためにピーナッツ持ち入り禁止)。その常識をくつがえすかのように、記事では「スシ・ロールサンド(パンにチーズやハムをはさんでくるくるっとすしロールのように巻いたもの」や「シリアル・ブレスレット(チリオスなどの輪っか型シリアルを糸でつなげてブレスレットみたいにしたもの)」などを提案したうえで、Brown bagではなく、環境に配慮して再利用可能なBento box(北米の日本食レストランのセットメニューが出される仕切りのあるお弁当箱)なんてのも取り入れていた。
とりたてて面白くもない記事だったけれど、今日の新聞には読者からのこの記事への反応がいくつか来ていた。それが興味深い。3人の読者はおしなべて、この記事を読んでプンプン怒っているらしい。自分も働いて、猫や犬にもえさをあげなくてはならない忙しい朝に、そんな悠長なことができますか!というのが主旨で、だれがスシ・ロールサンドやシリアル・ブレスレットをつくるような余裕があるのよ、と立腹している。
数ヶ月前(もう1年ほどになるかも)にも、実はGlobe紙のLife sectionに同じようなKids Lunchに関する記事が出ていて(たしか、いくつかの超目を引く、凝ったLunchの写真をブログから拾ってきていた)、それに対する読者の反応というのが今回とまったく同じだった。
それで考えたのだけれど、日本のお母さんたちってこうやって毎朝、子どもたちが喜ぶようなお弁当を作るのが常識になっていて、茶色の紙袋に、クリームチーズをはさんだベーグルとりんごをひとつ入れたようなお弁当なんてちょっとありえない。そこには、明らかに文化的違いというのがあって、日本では無意識のうちに母親は子どもの食生活に責任を持たされているし、きっとマクドナルドのハンバーガーなんてのを持っていったりすれば、担任教師から呼び出されたりすることだろう。
もうひとつには、概して日本を含むアジア系の母親がそうであるように、アジア系の母親は子どもに対する愛情をハグやキスで表すよりは、おいしくて栄養のある食事を作ることで表現しようとする傾向がある、という点も忘れてはならない。日本では本屋さんに行けば、子ども用のお弁当づくりの本や雑誌の特集があちこちに見られるし、母親たちもこぞって子どもがふたをあけて「ああ、おいしそう!」と言ってくれ、帰ってくれば「お母さん、今日のお弁当、おいしかった」と言ってくれるのが何よりうれしいという感じもある。
単なるランチの違いなんだけれど、北米の母親のRoleの違い、北米と日本での食に対するこだわりの違いや社会構造の違い(北米では専業主婦はメジャーではない)など、いろいろ考えさせられて興味深い。
Friday, September 3, 2010
Thursday, September 2, 2010
「バイリンガルはユニリンガルよりも高給取り」
University of Guelphの研究結果によると、カナダではバイリンガルの人たちはユニリンガルの人に比べると、より高い給料を受け取っている可能性が高いらしい。(Globe Life Section, Aug.31, 2010, Research was conducted by Louis Christofides and Robert Swidinsky)
ただし、これは別に2言語を操れることが直接的な原因ではなくて、二言語を操れることに付随する特徴、たとえば教育の高さや文化的な配慮、洗練性などが評価されて給料が高いという結果に結びついているらしい。つまり、雇用主である企業や組織は、バイリンガルにバイリンガルで仕事をすることを求めているというよりは、他者や他文化に対する配慮や洗練性などを買って、より高い報酬を与えているということになる。
ただし、記事では触れていないけれど、これはあくまでもカナダでの、それも公式言語であるフランス語と英語でのバイリンガルという話。バイリンガルといっても日本語と英語ができるとか、ヒンドゥー語とフランス語ができるとかいうのは、給料には反映されないのだ。私のような移民の多くはバイリンガルだけれど、それはカナダでは今も社会的に評価されているとは感じられない。
ま、当然といえば当然だけれど、移民としてはこの記事、なんだかちょっぴりムッときたね。
ただし、これは別に2言語を操れることが直接的な原因ではなくて、二言語を操れることに付随する特徴、たとえば教育の高さや文化的な配慮、洗練性などが評価されて給料が高いという結果に結びついているらしい。つまり、雇用主である企業や組織は、バイリンガルにバイリンガルで仕事をすることを求めているというよりは、他者や他文化に対する配慮や洗練性などを買って、より高い報酬を与えているということになる。
ただし、記事では触れていないけれど、これはあくまでもカナダでの、それも公式言語であるフランス語と英語でのバイリンガルという話。バイリンガルといっても日本語と英語ができるとか、ヒンドゥー語とフランス語ができるとかいうのは、給料には反映されないのだ。私のような移民の多くはバイリンガルだけれど、それはカナダでは今も社会的に評価されているとは感じられない。
ま、当然といえば当然だけれど、移民としてはこの記事、なんだかちょっぴりムッときたね。
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