Wednesday, March 30, 2011

震災・原発事故に関する友人からのコメント

「家族は無事?」

当然、このコメントが最も多いのだけれど、私が「両親は広島に住んでいるから大丈夫」と言うと、話はすぐに福島第一原発事故に流れていく。カナダ人がいちばん知りたいのは原発のことだという感じは明らかにする。「ヒロシマ」と「フクシマ」は切っても切れない関係になったのだ!

「世界初の被爆国がなんであんなに大量の原発を持っているのだ? 非常に矛盾しているじゃないか」

この友人は今回のことがあるまで、日本が国内の電力需要の30%を原発でまかなっているということを知らなかったという。というか、被爆国日本が原子力発電を選ぶ、ということ事態、思いもつかなかったらしい。ヒロシマ・ナガサキでは被爆国として被害者側に立っていたが、今回のフクシマでは放射能物質による環境汚染で世界に放射能被害を与えた加害国となってしまった。何たる皮肉であろう。

「今回の地震で倒れた高層ビルは今のところなかったらしいが、それが非常な驚きだ」

これはウォータールー大学の助手をしているエンジニアの友人のコメント。以前も同じようなコメントを聞いた。彼の出身国イランも地震が多いが、M8以上の地震が来ればテヘランのほとんどのビルは倒壊するだろう、と言っていた。日本のインフラはすごい、ということなのだろう。

「あんな規模の地震が他の国で起こったら、被害は日本の規模では済まされない」

というのも聞いた。この人は、地震に対して最も準備周到な日本だからこそ、被害の規模はそれほど大きくなかったのだと言う。

「なんで原発を津波被害の可能性のある沿岸地域につくっているんだ?」

私も知らなかったのだけれど、あとで調べたら、発電のために出される蒸気を冷却する必要があり、冷却のために海水を使っているかららしい。しかし、排水や廃棄物を捨ててたり、もしものことが起こった場合に海に投げ込めばいい、という感じで作っているのではないか、と私はなんだか非常に危険なことを想像したりもする・・・。

「日本では活断層の上に原発がつくられているらしいが、どうして(そんなばかなことをしているん)だ?」

というのも本当に困る。ちなみに( )内は彼の口調から、こういうことを言いたいんだろう、という私の推測。これは、きっと新潟の柏崎・刈羽原発のことだろうと思うが、それは2007年の事故の後、はじめて明らかになったとか。 そう言うと、今度は、

「それはきちんと調査を最初にしていなかったからだ。日本は安全基準が高いと言われているのに・・・」

ということになって、ふたりしてお互いの無言を耐えるしかなかった・・・。

「略奪がまったくないのは驚きだわ」

これは2005年のハリケーン・カトリーナ(アメリカ)の際の略奪を強烈に覚えているフィリピン系の友人のことば。

「忍耐強く配給の食糧を待ったり、日本人は冷静に極めて秩序正しく対応していると聞いている。日本はCivilizedな国だ」

海外メディアはこの点をステレオタイプを煽るかのように報道してきたと私は思うし、それは、日本人という国民に対して彼らが以前から抱いていたステレオタイプにぴったりと合致したことで、こうした面が余計に強化されて伝えられたのだと思う。読者や視聴者もそれを喜んで受け入れたし。こういうポジティブなコメントを手放しで喜んでいる海外在住の日本人もいるが、こういうステレオタイプの危険性には注意すべき。

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