Monday, September 12, 2011

子どもにとって有害なテレビ番組

我が家にはテレビがない。エリックは、生まれてこの方、自分の家で座ってテレビを見た経験がないのだが、私も夫もこの選択は間違っていなかったと今も思っている。私たちもテレビの効用は認めていないわけではない。ただ、子どもにとっては害の方が大きいと思うのだ。

私たちのように、4年間テレビを絶った後、Fast-pacedな子ども番組を見るとどういう反応が現れると思われるだろうか? 


まず、頭が痛くなる。どこに焦点(集中力)を置けばいいのかわからず、戸惑ってしまう。自分の能力のすべてが集まっている「芯」がかき乱される。つまり、集中力が崩れていくのがわかる。相手のペースに流されることに対する恐れ。受動化。


しかし、その当時、カナダの小児科協会も、トロント市保険局のパブリック・ナースも、「テレビはなるべく見せないように」と言うだけで、積極的に「テレビを見せないように」とは言っていなかった。

さて、今日のGuardian紙によると、スポンジボブ(SpongeBob Square Pants)などの画面が素早く切り替わる、ファンタジーに満ちたテレビ番組を見せると、子どもたちの学習能力の低下につながる、という研究結果がPediatricsジャーナルに発表されたという。

この研究結果はUniversity of Virginiaの心理学研究者によるもので、60人の4歳児に9分間のスポンジボブ番組を見せた後、行動を観察すると自己制御能力が低下し、結果的に学習能力の低下につながるというもの。実験では、同様に9分、ゆっくりペースのカナダの教育番組Caillouを見せたり、9分間のお絵かきをさせたが、Caillouとお絵かきでは子どもの能力に変化は見られなかったという。
研究結果では、この理由として、早いペースで動くものを見ると、集中力が下がる点、さらにキャラクターに自分を同一化する傾向、を挙げている。

つまり、画面が素早く切り替わる、ファンタジーに満ちた番組(研究結果では”Fast-paced, fantasy television programs”)を見せると、4歳児は集中力とセルフ・コントロールの能力が低下する、ということである(ちなみに、このセルフ・コントロール/自己抑制能力が学力や生活力の発達にとって最大のカギであるという事実は、最近、数々の研究結果が証明している)。


アメリカの小児科協会American Academy of Pediatricsが、2歳以下にはテレビを見せないようにと強い警告をしたのはわずかに3年ほど前のことだった。2歳以上には、日に2時間以内、それも教育番組に限って大人といっしょに見せることを推奨していた。今回の研究結果は、こうしたガイドラインをサポートする内容で、子どもの健全な行動発達を願うなら、お絵かきやブロック、外遊びをさせるべきだとしている。

 
参考)Guardian/ガーディアン紙

http://www.guardian.co.uk/science/2011/sep/12/spongebob-children-concentration

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