Tuesday, October 4, 2011

州選挙の行方:オンタリオとアルバータ

先日のStar紙の報道では、Liberal (自由党、党首はマギンティ現州首相)とConservative(保守党、党首フダック)がともに35%、NDP(新民主党、党首ホーワス)が26%の支持率で、近年まれにみる接戦となっている。しかし、NDPのAndrea Horwathはすごい。政治家というにはあまりに地に足がついているといった雰囲気、シャープで切れのいいものの言い方、暖かい人間性など、彼女を知れば知るほどNDPの政策はどうあれ、彼女にチャンスをあげたい、と思ってしまう。


実際のところ、専門家は選挙キャンペーンに入ってからLiberalとConservativeの支持率はほとんど変わっていないというが、NDPだけは選挙戦が始まってから徐々に追い上げているという。1990年代以降、NDPがこれだけ支持率を伸ばすのは初めてという。


ところで、昨日のGlobe紙で人権問題を専門とする弁護士で前アルバータ州法務大臣のアリソン・レッドフォード/Alison Redford(保守党)が次期アルバータ州首相の指名を受けたと読んでびっくりした。彼女はConservativeと言ってもRed Toryでイデオロギー的にはかなりLiberalに近い。アルバータはRed Neck(日焼けした首、という意味で、保守的な田舎の人を指す)で知られる保守色の強い州だが、近年、アルバータもかなり政治イデオロギー的、というか社会的に変化しているのだという感じがする。

というのも、去年の秋、カルガリーはリベラルで文化や福祉などを大事にする政策を主張するNaheed Nenshiを市長に選んだし(カナダの大都市の市長としては初めてのイスラム系、彼の両親はタンザニア出身)、今回も保守党がレッドフォードを選んだという事実は、アルバータ州が大きな社会的変化の渦中にあることを裏付けている。


オンタリオ州に話を移すと、どちらが多数派になろうと、どうやらマイノリティ政府になりそうな予感。個人的には、いくらConservative政府になったとしても、LiberalとNDPがかなりの票を獲得し、バランスの取れた政策を打ち出せるマイノリティ政府となるのであれば、幾分安心できる。


しかし、夫を見ると分かるが、Anything but Conservative(保守党でなければ何でもいい)という人たちが、LiberalとNDPの票を割っているのは事実(特にセントラル・トロントでは)。なので、彼のような人たちは自分の信じる政党に票を入れるというよりは、刻々と変わる状況を読みながら戦略的に投票している。連邦政治にもいえることだが、LiberalとNDPは統合してConservativeに対抗するのも手ではないか。実際、10年ほど前だったか、右派ではProgressive ConservativeとReform Party(のちにCanadian Alliance)という2派が統合した結果、その後は右派の票はそちらに確実に流れるようになった。


NDPのよいところとLiberalのよいところを組み合わせた政党が出来てほしいものだ。NDPの社会福祉や労働者の権利を守る姿勢、弱者を守り、社会正義を追求しようとする姿勢、Liberalのグリーン・エナジー政策、経済政策と教育政策、移民政策は価値ある政治的資産だと思う。


とにかく。10月6日の投票日まであと3日。

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