Tuesday, October 11, 2011

'He changed the way each of us sees world'

10月6日、早朝のラジオで聞いたスティーブ・ジョブズの訃報に触れ、テクノロジーの進歩についていろいろな思いが過ぎっている。


さまざまな人たちがAppleの創始者スティーブ・ジョブズに対する思いを述べているが、なかでもオバマ大統領のコメントは最もジョブズの功績を簡潔に表現していると思われる。


He transformed our lives, redefined entire industries and achieved one of the rarest feats in human history: He changed the way each of us sees world.


スティーブ・ジョブズはわれわれの生き方を、産業界全体を根本的に変えた。人類史で最もまれな功績のひとつ、世界の見方を根本的に変えるという功績を成し遂げた。


今、これを図書館で書いている私の隣では、学生らしき人がコンピュータで課題を仕上げている。ときに席を立ってストレッチをするのだが、彼の前にいた年配の女性がその姿を見て、「コンピュータは疲れるのね。私はコンピュータのことなんて、何も分からないし、そんなものに振り回されるのはごめんだわ」と言ったのに対し、男性は「別にコンピュータを使わなくったって何も困ることはないよ」と言った。彼は、年配の女性に気を遣ってそう言ったに違いないが、実際のところ、それほど誤ったコメントはない。


戦後、最も大きな発明といえば、コンピュータの発明に違いない。ジョブズは厳密にいえばコンピュータの発明者ではないが、私たちひとりひとりがコンピュータを所有できるようになったのは彼の功績という意味から、「パーソナル・コンピュータの生みの親」と言われている。その功績によって、オバマ大統領が言うように、私たちの生活は、そして世界観は限りなく、大きく変わった。


思えば、私が大学を終えてライターの仕事を始めた時、ワープロで原稿を書いていた。それだけでも画期的だと思われたが、メールがなかった時代だから終わった原稿はフロッピー・ディスク(死語?)に入れて、自転車かタクシーで編集部まで届けるというのんびりさであった。


1999年、私が初めて買ったコンピュータはIBMのコンピュータだった。それを開くと、インドを旅行中のボーイフレンドと連絡を取りあうことができた。仕上がった原稿もこれで写真をつけて送ることができた。マイクロソフト・ワードの便利さに驚いた。


同じ年、トロントに移住してからというもの、私の海外生活はコンピュータなしではありえなかった、と言っていいほど、私の生活はコンピュータに支えられてきた。翻訳の仕事も、出版も、ディプレッションも、広辞苑をどうしようか、きょうの料理をどうしようか、そういう問題も、コンピュータが、インターネットがすべて解決してくれた。


それから12年後には、AppleのiPadを買った。その使いやすさ、美しさと機能性はほとんど信じがたい。iPadに比べたらMicrosoftが原始的で野暮にさえ思われる。iPodでメディテーションをし、子どもが幼稚園にいる間にはiPadで本を読む。私たちの生活にはテレビもCDもラジオも新聞すら必要ない。iPadがすべて満たしてくれている。


毎日送られてくるEメールにうんざりすることもあるし、次々に新しくなっていくコンピュータ・テクノロジーにようやくついていくのも楽じゃない。コンピュータ・スキルをもたない人たちが社会的に(精神的に)離脱しているという問題もある。


しかし、一方で、基本的にペシミスティックな私も、インターネット上でのコネクションがもたらす可能性に関してだけは非常に楽観している。今まで声をもたなかった人たちが声をあげ、そのメッセージが世界中の人たちに届く可能性には大きな期待が持てると思う。


“And yet death is the destination we all share. No one has ever escaped it. And that is as it should be, because death is very likely the single best invention of life. It is life’s change agent”.


スティーブ・ジョブズのような天才がいつもいうのはI found what I love to do。好きなことをして、上のように死を受け入れる準備ができていた彼の態度を見習いたいと思う。


Sent from my iPad

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