Sunday, November 7, 2010

N.S.man convicted in cross-burning(Globe and Mail, Nov.6, 2010)

今年2月、東海岸に位置するノバ・スコシア州の小さな町で起こった事件が、カナダ全土を震撼させた。その事件とは、この町で唯一の黒人であるシェイン・ハウとパートナー(白人女性)の家の庭で十字架が焼かれた事件である。カップルは”die nigger die”という叫びで目を覚ましたという(niggerは差別用語)。その後、若い男が数人逮捕されたが、この記事によると裁判において彼らのhate crimeに対する有罪が確定したという。

記事中のコメントにあるように、何も裁判までしなくてもこの事件はhate crime(特定のグループに対する憎悪をかきたてる行為を行った罪、ちなみに日本の法にはhate crimeは定められていない)に決まっている。「十字架を焼く」といえばKKK(クー・クラックス・クラン)のお決まりであって、黒人排斥運動(というか黒人殺害)に強力なイニシアチブととっていたKKKを真似たこの卑劣な行為は許されるものではない。

今回と似たような事件は、いまだマルチカルチュラリズム(多文化共生)を誇りとするカナダにおいて時折起こっている。こうした事件が起こるたびに、トロントに住んでいてよかった、と思う。今回の裁判でも、コミュニティの一部はシェイン・ハウをサポートしているというが、大部分はサポートしていないらしく、家族は今後の報復の可能性を恐れている。アジア系としては、やっぱり小さな村や町には住みたくない。

この記事で私が最も感銘を受けたのは、他の民族グループからのサポートである。カナダのエスニックコミュニティではユダヤ系がその先端にあるが、またしてもCanadian Jewish Congress(CJC)のCEOであるBernie Farberがこの判決に対するサポートを表明していた。私はいつも、多文化主義が真に機能し、ポジティブな結果へと動いていくためには、エスニック・コミュニティの役割が欠かせないと思っているが、人種差別に対する闘いのフロントラインにCJCがいることを知るたびに非常な安心感を覚える(本当は、政府から過去に受けた人種差別的待遇に対するリドレスを勝ち取った日系コミュニティもこの役割を担うべきである)。

一方、私がムッときたのは、有罪判決を受けた若者の家族の「若いときにはばかなことをやるものだよ。こんなに大きな事件にせず、もう一度チャンスを与えてあげることが大切じゃないのか」というコメント。問題の本質がわかってない。自転車泥棒と違って、これは意図的にある人種のグループ全体を対象にし憎悪をかきたてている、大事件なのだ。若くてもこの罪は決して軽く扱われてはならないし、それが今回の裁判でカナダが国民全体に送った大切なメッセージなのである。

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