Wednesday, July 20, 2011

ホットドッグに想う-トロントの物価上昇と世界食料危機

今に始まったことではないが、今日、ふと信号で止まったときにホットドッグ・スタンド(これって、本当に嫌な英語の名前なのよね…)の看板を見て「そうなのね、物価があがっているのね」と改めて思った。ホットドッグが2.99ドル(せせこましいじゃない、これって。3ドルでいいものを…)。5年ほど前には2ドルではなかったっけ?

昨年ごろから、世界中で食糧の価格があがっているが、トロントに住む私もそれを肌で感じる。日本からきた12年前には、カナダって安い! と思ったものだが、最近は昨今の食糧危機とインフレーションの影響で、とりわけ食糧・食品の値段が上がっている。とりわけ感じるのは、パンやミルク、ジュースで、なかでもパンの値段は10年ほど前に比べると20%ほど上がっているのではないか。小麦粉の値段があがっているからなのだろう。

一方で、いつまでも安いものといえば加工食品。冷凍食品やクラフト・ディナー関連、ジャンキーな食品は相変わらず安い。原材料に小麦粉を使っているようなものも、加工食品なら安いので、このあたりが疑問なのだけれど。

話は変わるが、私、いつも思うのよね。低所得者層はファーストフードやクラフト・ディナーを大量に消費する傾向があるため、肥満やそれにともなう病気・疾患に結びつきやすい、と言われるが、食費を抑えようと思えば、何を置いても野菜や豆類を食べればいいのではないか。野菜や豆類、穀類は値段があがっているとはいえ、カナダではまだまだ安い(日本に比べると。日本ではたしか、りんご1個100円だったものね)。こうした食品を摂っていれば、ジャンキーなフード以上に安上がりだし、健康によいことは間違いない。

今、ソマリア、エチオピア、ケニアといった国の一部で、深刻な飢餓問題が懸念されている。確か昨日、国連が緊急にソマリアの一部に飢餓宣言を出したのだった。旱魃により植物も育たず、次に雨が降るのは早くて今年10月であるという。今日のGlobe紙は、10人に1人の子どもが飢餓により死亡する可能性がある、と伝えていた。飢餓問題の原因はひとつではないにしろ、一要因とされるのは食糧価格の上昇である。2010年、チュニジアで始まったArab Spring(アラブ諸国の市民が民主化を求める一連の動き)も、そもそもの原因のひとつは食糧価格の高騰であった。

去年から「食料の値段は今後ますます上がっていく」と言われてきたカナダ市民だが、上がったといっても大半の市民は何とかやり繰りしながら相変わらず豊かな食生活を送っている。食料価格の高騰の影響は、まずは経済的・政情的に不安定な国々を襲うことになるだろうが、先進国に住む私たちが何もできないわけがない。カナダのInternational Co-Operation Minister であるBev Odaは今日はケニアを訪れ、飢餓問題に直面する人たちを視察し、援助金を提供することを明らかにした。1980年代のエチオピア飢餓のときとは違って、西洋諸国は昨今の世界規模の災害続きでDonor Fatigueに陥っているとも言われており、先進国の対応は思いのほか遅い。

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